~下水道の処理能力と家庭でできる大雨への備え~

皆さま、こんにちは!
前橋・高崎・渋川を中心に、群馬で本物の木を使ったナチュラルで快適な家づくりをしている寺島製材所の田中です。

最近、「記録的短時間大雨」という言葉をニュースで耳にする機会が増えました。

関東地方では非常に激しい雨が相次いでいます。

8月13日から14日にかけて千葉県を襲った大雨では、線状降水帯が発生し、千葉市では24時間降水量が360mmを超える記録的な大雨となりました。
広い範囲で浸水被害が発生し、下水道施設にも被害が確認されています。

さらに8月21日には埼玉県さいたま市付近で、1時間に約110mmの猛烈な雨が降り、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。
道路の冠水や側溝からのあふれなども確認されています。

こうした大雨のとき、住宅で意外と気をつけたいのが、「トイレやお風呂などの排水」です。

今回は、「なぜ大雨のときにトイレが逆流することがあるのか」「下水道の処理能力とは何か」「家庭でできる大雨への備え」についてご紹介します。

「記録的短時間大雨」とは?

記録的短時間大雨情報は、数年に一度程度しか発生しないような、災害につながる猛烈な雨が短時間に降った場合に発表される情報です。

地域によって基準は異なりますが、短時間に大量の雨が集中するため、

●道路が一気に冠水する
●排水溝から水があふれる
●河川の水位が急上昇する
●住宅や地下空間に水が入り込む
●下水道や排水施設の能力を超える

といった被害につながる可能性があります。

特に都市部では、舗装された道路や駐車場が多いため、雨水が地面に染み込む前に一気に排水施設へ流れ込みます。

そこで重要になるのが「下水道の処理能力」です。

下水道にも「処理できる量」があります

「雨が降ったら、下水道に流れていくから大丈夫」と思ってしまいがちですが、実は下水道にも処理できる能力には限界があります。

国土交通省によると、都市部で発生する浸水には、河川から水があふれる「外水氾濫」だけでなく、降った雨を下水道などで排水しきれなくなる「内水氾濫」があります。

つまり、

雨が降る量 > 排水できる量

となったとき、道路や敷地などに雨水がたまり始めます。

さらに大雨によって下水道管の中の水位が上昇すると、排水口から水が流れにくくなったり、場合によっては逆流したりすることがあります。

これは「家の排水設備が壊れている」という話ではありません。

地域全体に一度に大量の水が流れ込み、下水道やポンプなどの処理能力を上回ってしまうことが原因になる場合があるのです。

大雨のとき「トイレの水が逆流」することも

大雨の際に注意したいのが、トイレの逆流です。

下水管の水位が上昇すると、通常は家から外へ流れていくはずの排水が流れにくくなります。

さらに状況によっては、 下水管 → 家の排水管 → トイレ という方向に水が戻ってくることがあります。

トイレだけでなく、

●お風呂
●洗面所
●洗濯機の排水口
●キッチン
●屋外の排水口

なども注意が必要です。

自治体でも豪雨時の下水逆流対策として、丈夫なビニール袋を二重にした「水のう」を使った方法が紹介されています。

家庭でできる「トイレの逆流対策」

大雨が予想されるときは、早めに準備しておくことが大切です。

① 大きめのゴミ袋で「水のう」を作る

用意するものは、

●45L程度の大きなビニール袋
●水
●バケツなど

です。

ビニール袋を二重、三重にして水を入れ、空気を抜いて口をしっかり結びます。

これをトイレの便器内に置くことで、下水からの逆流を抑える対策になります。

※あくまで応急的な対策です。自治体から避難情報などが出ている場合は、排水対策よりも身の安全を優先してください。

② お風呂・洗濯機などの排水口も確認

トイレだけではありません。

大雨の際には、「家の中で一番低い場所にある排水口」から逆流するケースもあります。

特に、

●浴室
●洗面所
●洗濯機置き場
●トイレ

などは確認しておきましょう。

③ 屋外の排水口を掃除しておく

雨樋から流れてくる雨水や敷地内の排水をスムーズにするためにも、排水口・側溝の掃除は重要です。

落ち葉や泥、ゴミなどが詰まっていると、本来流れるはずの雨水が流れにくくなります。

「大雨が降ってから掃除する」のではなく、普段から確認しておくことがポイントです。

「新しい家なら大丈夫」とは限りません

新築住宅だからといって、記録的な大雨による浸水や排水の逆流が絶対に起こらないわけではありません。

住宅の排水設備は、地域の下水道や道路側の排水施設などともつながっています。

そのため、住宅設備が正常でも、地域全体の排水能力を超える雨が降れば影響を受ける可能性があります。

これは家そのものの性能だけでは解決できない、都市型水害の難しいところです。

「水が入ってくる場所」を事前に確認

大雨への備えでは、家の中だけでなく外もチェックしておきましょう。

例えば、

●玄関
●勝手口
●掃き出し窓
●車庫
●床下換気口
●屋外の排水口

などです。

特に道路より敷地が低い場合や、周囲に水が集まりやすい土地では注意が必要です。

家づくりの際には、「この土地は大雨のとき、どこから水が入ってくる可能性があるのか?」という視点も大切になります。

最近の千葉・埼玉の大雨から考える「まさかへの備え」

今回の千葉県や埼玉県での大雨では、こうしたニュースを見ると、

「自分の家は大丈夫かな?」と一度考えてみることが大切です。

ハザードマップを確認したり、自宅周辺の道路や側溝、排水口を確認したりするだけでも、防災意識は大きく変わります。

おすすめしたい「大雨前の5つの確認」

大雨が予想されるときは、次の5つをチェックしてみましょう。

① 気象情報・自治体の防災情報を確認

② 自宅周辺の排水口・側溝を確認

③ トイレ・浴室などの逆流対策を準備

④ 玄関や掃き出し窓など浸水しやすい場所を確認

⑤ 避難場所・避難経路を家族で確認

特に重要なのは「雨が強くなる前」に行うことです。

雨が降り始めてから外に出て、側溝の掃除や土のうを設置するのは危険な場合があります。

まとめ|大雨への備えは「家を建てた後」も大切

近年は、これまで経験したことのないような短時間の猛烈な雨が各地で発生しています。

最近の千葉県、埼玉県での大雨も、その危険性を改めて感じさせる出来事となりました。

下水道や排水設備は私たちの暮らしを支える重要なインフラですが、どんなに大きな雨でも無限に処理できるわけではありません。

だからこそ、「下水道に流れるから大丈夫」ではなく、「処理能力を超える雨が降るかもしれない」と考えて備えること。

そして住宅では、「トイレの逆流」「排水口からの逆流」「敷地への浸水」など、身近なところから対策しておくことが重要です。

これから家づくりを考えている方は、間取りやデザインだけでなく、「大雨が降ったとき、この家はどうなる?」という視点もぜひ持ってみてください。

土地選び、敷地の高さ、排水計画、玄関まわりなど、家づくりの段階から考えられる「水への備え」もあります。

家は、晴れた日の暮らしだけでなく、もしものときの暮らしも考えてつくるもの。

弊社でも日々の暮らしと防災の両面から、安心できる住まいをご提案していきたいと思います。

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